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学校における児童生徒の健康に関わる皆様への緊急提言 ― 新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)との関連から -

  新型コロナウイルス感染症は、パンデミックの後一旦は感染減少がみられましたが、再び全国的に発症が見られ、第2波への拡大が懸念されるところです。 ところで、長期にわたる休業から再開された学校では、健康診断実施上の課題が生じ、3密回避や学校医や関係機関との日程調整が難しいなど、例年にはない状態が続いております。また、学校再開後の児童生徒の体力面及び精神面での現状には不安や課題が多く、体力の低下とケガの発症も懸念されています。ついては、当協会学校保健委員会と理事会で、「学校における児童生徒の健康に関わる皆様への緊急提言」をまとめました。児童生徒の健康に関わる関係者の皆様には、コロナ禍においても児童生徒の健全な発育・発達が維持されますよう、下記の緊急提言をご参照いただき啓発していただければ幸いに存じます。

学校における児童生徒の健康に関わる皆様への緊急提言

― 新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)との関連から -

新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)は、未だ感染の収束の見込みはなく、第2波の到来が懸念されており、今後さらに周到な感染予防対策を講じることが求められています。

そこで、公益財団法人運動器の健康・日本協会(丸毛啓史理事長)の学校保健委員会では、「オール日本」での子どもの健康維持や心とからだの健全な発育・発達を願い、子どもの健康についての緊急提言をいたします。                

  • 運動器検診 (保護者・学校関係者・学校医の皆様へ)

 運動器の保健調査票を活用して家庭でしっかり事前チェックを行い、当日の健診での3密状態回避と学校医の負担を軽減していただきたいと思います。また、学校医の先生方は、医療環境の厳しい折ですが、子どもの健康維持・増進のため、特段のご配慮とご尽力をよろしくお願いいたします。

2.運動不足後の傷害 (保護者・学校関係者の皆様へ)

「ステイホーム」の継続に伴う運動不足による体重増加や体力・運動能力の低下がみられ、軽度の運動開始にても運動器の痛みが生じる事例などの報告(2020年6月:日本中学校体育連盟調査)があり、今後さらにこのような事例が増加することが予測されます。学校関係者の方は、運動前の入念なストレッチングや準備運動をご指導ください。保護者や学校関係者の方は、運動器の痛みや不調を訴える子どもに対しては、早めに整形外科医への受診勧奨をよろしくお願いいたします。

3.心とからだの不調 (保護者・学校関係者・医療機関の皆様へ)

何らかのストレス反応を示している子どもが75%見られ、保護者の62%が心の負担を感じているとの報告(国立成育医療研究センター「コロナ×こどもアンケート」第1回調査報告書:2020年5月31日)があります。多くの子どもが体力及び精神面での不安を感じており、今後夏季期間の登校やマスク着用による熱中症の増加も予測されます。そこで、学校関係者の方には、例年にも増して、子どもの心とからだの変調に気づき、積極的に声かけをしてください。変調がみられましたら、早めに学校医はじめ小児科医・内科医などへの電話相談もしくは受診勧奨をよろしくお願いいたします。

2020(令和2)年7月

公益財団法人運動器の健康・日本協会 学校保健委員会

以下のサイトをご参考にしてください。

・日本整形外科学会「新型コロナウイルス感染防止対策下における児童・生徒等の運動器の健康ならびに

運動器検診について」https://www.joa.or.jp/public/motion/index.html

・学校保健ニュース https://www.gakkohoken.jp/kenkonews

・「子供の運動あそび応援サイト」スポーツ庁

https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop03/list/detail/jsa_00012.html

・国立成育医療研究センター 「コロナxこどもアンケート」第1回調査報告書http://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/report_01.html

・「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント  厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html