コラム 2022.04.01

コロナ禍で“腰痛&ぎっくり腰”にならない体の使い方とは?

  長引くコロナ禍で在宅時間が増えた結果、心身の不調を訴える人が以前よりも増えています。運動の機会が減ったこともあり、シニア世代では腰痛やぎっくり腰になってしまう人も多く、仕事や日常生活に支障をきたす原因の一つになっています。

「急に前かがみになったり、重い荷物を無造作に持ち上げたり…。腰痛やぎっくり腰が起こる原因はさまざまですが、腰痛予防のポイントは、普段から適切な姿勢を意識し、“腰痛借金”を貯めないことがポイントです」と話すのは、長年、腰痛・肩こりの予防・対処法を研究し、テレビや雑誌などのメディアでも活躍中の医学博士・松平 浩先生。“腰痛借金”とは、腰痛の原因となる椎間板に蓄積された負荷のこと。

  今回は、松平先生に、腰痛借金を貯めず、腰痛&ぎっくり腰にならないためのポイントを教えてもらいましょう。

「前かがみ」は要注意

 人はまっすぐな姿勢で立っている時、上半身の重みを下半身全体で支えています。しかし、前かがみの姿勢では、上半身の重量のほとんどを腰で支えることになります。これは腰椎の一部に負荷が集中し、椎間板が押しつぶされたように変形した状態です。このとき椎間板には、200kgが載っている負荷がかかっています。

 椎間板に同じような負荷が繰り返しかかると、今度は椎間板の中にある髄核(ずいかく)というゼリー状の組織が、徐々に椎間板の中で後ろにズレていく場合があります。これがまさに“腰痛借金”がたまった状態です。ずれた髄核が、椎間板の外側にある線維輪という組織を傷つけることで起こるのが「ぎっくり腰」の典型的なパターン、そしてさらに髄核が椎間板の外に押し出され、神経を刺激することで起こるのが「椎間板ヘルニア」。後者になると腰だけでなく、お尻や脚にも痛み・しびれが出てくることがあります。

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