40代のラン初心者が挑戦!膝を傷めずに颯爽と走るまでの奮闘記(1)
40〜50代の中高年になってランニングを始める人が増えています。「テレワークで太ったから」「健診の気になる数値を戻したい」「体を若々しく保ちたい」「通っていたジムが閉鎖した」「いずれマラソン大会に出たい」など、目的は千差万別でしょうが、まだまだ若いつもりで闇雲に走り出したはいいものの、膝や股関節、足首などに痛みが出て、数日〜数週間で走るのを諦めた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
かくいう40代の筆者もそうです。今年の3月、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、いきなりテレワークとなりました。朝から夕方までパソコンで10時間ぶっ続けで仕事。3食きちんと食べるのはいいにしても、内容は酷いものです。インスタント麺にコンビニ弁当、夜はビールとつまみ。運動不足に加え食生活の乱れ。あっという間に体重は増加し、腹は出て、腰も痛くなり始めました。これはさすがにまずいと思い、4月から近所を走ることにしたのです。しかし、これがキツかった。私みたいな運動習慣がない人間にとってランは想像以上にハードな運動です。息は続かないし、足も重い。数日すると走ること自体に気が重くなるし、そのうち膝も痛み出して、完全に気持ちが萎えて、結果、2週間しないうちにやめました。
自分の根性のなさにほとほと呆れていた矢先、友人からある本を紹介されたのです。それは箱根駅伝の常勝校・青山学院大学陸上競技部の指導にも携わるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さんの著書『全身改造メソッド』(新潮社)。ここには、ランニング初心者は、「最初から走らないこと」という内容が書いてありました。
そもそも、ランニングをいきなり始めて、股関節や膝や足首が痛くなるのは当たり前。走るために必要な最低限の筋肉がついていないことが大きな要因だと言うのです。
どちらかの脚が必ず地面に接地しているウォーキングと違い、ランはジャンプと着地の繰り返し。しかも着地時に脚に加わる衝撃は、体重の2〜3倍とも言われますから、筋力が弱い人の膝や股関節が悲鳴を上げるのも無理もない話。むしろ痛みをガマンして根性で走り続けて大ケガでもしたら元も子もないので、私のようにいったん走るのをやめるのは正しい選択だったとも言えるのです。
例えば、颯爽と街や公園を走る市民ランナーの体型を思い出してください。年齢や性別を問わず、走り慣れたランナーは、お尻の筋肉(=大臀筋)やふくらはぎの筋肉が盛り上がって引き締まり、背筋もピンとして若々しいと思いませんか? これは、運動習慣ゼロの人に比べて、彼らの下半身の筋肉量が圧倒的に多いから。
逆に言えば、私みたいな中高年のラン初心者の人も、まずは下半身の筋肉量を増やしておく“事前準備”をしっかり行っておくことで、走っても痛みやケガに悩まされにくくなる、ということなのです。では、どういう方法で走るための筋肉を増やせばいいのでしょうか。
そこで、次回より40代の私が、颯爽とランニングを続けられるまでの体験記を紹介していきたいと思います。
(文・春竹ともお)