コラム 2021.07.14
コロナ禍に運動器を守るための必読の書! 「ロコモティブシンドローム診療ガイド2021」が発刊
片足立ちだとフラついて靴下が履けない、横断歩道を青信号の時間で渡りきれない、家の中でつまずいたり滑ったりすることがある――
これ、近年注目を集めているロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)のチェックリストの一部です。
ロコモとは、運動器の障害により、立つ・歩く・走る・座るなどの移動機能の低下をきたした状態を指します。ロコモが進行すると、転倒リスクが高まり、要支援・要介護の原因ともなり得るのです。
コロナ禍でテレワークが普及し、運動器の重要性がさらに叫ばれるなか、満を持して登場したのが、この「ロコモティブシンドローム診療ガイド2021」(文光堂・3500円+税)。運動器の健康・日本協会の参加団体である日本整形外科学会と日本運動器科学会が監修し、ロコモティブシンドローム診療ガイド策定委員会により編集された、まさにロコモを知るための決定版です。
主な内容としては、ロコモの定義、疫学に始まり、ロコモの判定方法、ロコモにより引き起こされる関連疾患の解説、予防法や対策方法、手術療法、リハビリテーション、さらには啓発・診療活動までが、全6章と膨大な資料で詳細に網羅されています。
本書によれば、人生100年時代とも言われる現代ですが、実際には50歳以降の運動器の入院手術例が急増中とのこと。つまり伸び続ける寿命に、運動器の健康が追いついていないのが、今の状況というわけです。
運動器の健康を長く維持したいと願う人はもちろん、高齢の親への啓蒙や介護にも大きく寄与する一冊です。
(文◎裃トオル)