コラム 2021.12.01
医学博士・本多京子さんに訊く、シニア世代の「運動器を守る食事」のQ&A
骨折を予防する食事法は?
Q2. 近年、高齢者の脆弱性二次骨折(一度骨折した人が再び骨折すること)が懸念されています。これを予防、または進行させないために重要な栄養素と賢い摂り方は?
ヒトの骨は、①骨を作る骨芽細胞(こつがさいぼう)と、②骨を壊す破骨細胞(はこつさいぼう)によって維持されています。力がかかると骨は強くなり、かからないと弱くなります。つまり骨の細胞は重力や衝撃など負荷を感知することで活発化すると言われています。つまり、骨が弱りつつある高齢者の場合、①を促進し、②を抑制するための適度な運動を行うと同時に、骨を作るための栄養素を普段から意識して摂ることが大事です。
まず①の骨を作る栄養素としては、たんぱく質(1日50~60g)、カルシウム・マグネシウム、ビタミンD・Kが挙げられます。食材で言うと、 魚(鮭などはたんぱく質もビタミンDも多い)やきのこ(干すとビタミンDが増加)、乳製品や青菜にこれらの栄養素が多く含まれます。
これを組み合わせて作る食事レシピとしては、例えば「鮭ときのこのホイル焼き」、「青菜のシチュー」や「ミルクスープ」などがオススメです。また、②破骨細胞の働きを抑える栄養素はビタミンK1(青菜に多い)ビタミンK2(納豆に多い)。つまり、「ほうれん草の納豆和え」などは最上のレシピと言えます。