ダンサー・パパイヤ鈴木が考える 本当に“素敵”なダンスとは?
ダイエットを決意したワケ
ところで、ダンサーなんだから、太るわけがないと思う人もいるかもしれませんが、そんなことはなくて、踊るのが日常になって、暴飲暴食を繰り返していると普通に太ります(笑)。テレビで昔の僕を観ていた人は、100kg以上あったふくよかな姿をイメージするかもしれませんね。その頃は毎日のように外食でした。美味しいものが好きなこともあり、家で食事を済ませて出かけても、店に入るとお酒をガンガン飲んで、お通しやつまみを食べて〆に大皿のパスタを平らげる、みたいな食生活。太るに決まってますよね(笑)。
でも、今は身長174cmで体重は78kg。逆に野菜中心の食生活を心がけています。もともと太りやすい体質ということもあって、昔からダイエットには何度も挑戦してきたんです。20歳の頃なんて、とんでもない方法で減量していました。1日2食、蕎麦だけ食べて毎日7km走り、血尿を出しながら1ヶ月で30kg落としたり。もちろん、お医者さんにはめちゃくちゃ怒られましたが(笑)。
そういう若気の至りみたいなやり方じゃなくて、しっかり痩せようと決意したきっかけは、大河ドラマ『天地人』(2009年)への出演オファーでした。役どころは北村一輝さん演じる上杉景勝の家臣・甘糟景継の19歳から58歳までの人生。その時点で、僕の体重は110kgあったので、とにかく焦りました。
だって、戦国時代にそんな太った人いるはずないじゃないですか(笑)。で、スクリーンテストまでに3ヶ月あったので、そこまでにランニングと食事制限で20kg落としました。 それに、戦国武将の40年近い人生をどう変化して見せるか、これが演じる上でのポイントになります。そこでメイクさんや衣装さんと相談したら、人は歳を取ると“枯れていく”ものだと言うんですね。肉体的には“たるむ”と“しぼむ”が必要だと。でも、たるむのは難しいから、1年間の撮影期間中に徐々に痩せていくことでしぼんでいこう、となって。最終的に10kg落として“枯れる”を表現しました。
東京マラソンで“サブ5”に挑戦!
大河ドラマもそうですが、僕は妙にツイてるところがあって、「そろそろ減量しなきゃな」と考えていると、なぜか痩せないといけない仕事が舞い込んでくるんです(笑)。以前、某メディアの企画で、東京マラソンを走りませんか? とお声がけいただいたのも、ちょうど太り始めていた頃でした。
内容は、元・五輪選手の千葉真子さんに走り方や練習方法を教わって、42.195kmのフルマラソンを“サブ5”(5時間切り)で完走しよう、というものだったんですね。オリンピアンに走り方を教わる機会なんて、そうそうないじゃないですか。「やりましょう」と二つ返事で引き受けて、毎日10km走り込むように。体重もピーク時で72kgまで落ちましたね。
千葉さんは怪我するから走りすぎないで、と何度も助言してくれてたんですが、試しにハーフマラソンに出たら2時間を切れたんです。「お? これはフルマラソンでもサブ4(4時間切り)いけるんじゃないの?」なんて調子に乗ってガンガン走ってたら、案の定、ヒザを痛めてしまって。千葉さんに「言うこと聞かないから」なんて怒られたりもしましたが、結局、本番のレースでは、途中で何度も諦めそうになりながら5時間半でなんとかゴールできました。
この話からもわかると思いますが、僕はやると決めたらトコトンやる一方で、やらないとなると全然やらない、極端な性格なんです。だから今は減量する時も、体重を何kg落とそうとか、ゴールは設定しません。到達点を決めると達成した瞬間にやめちゃうので。あくまで、ゆる〜く健康的なカラダでいられるよう気をつけています。なんせ、太りすぎないようにしてれば食費もかからないし、洋服が似合うようになるし、お酒もほどほどにするから地獄みたいな二日酔いもない(笑)。良いことずくめなんですよね。