電動車椅子サッカーの現役トップ選手・永岡真理さんに聞く。競技の魅力とは?
W杯出場への挑戦は続く
いま、平日は株式会社マルハンという企業に勤務して、講演会やメディアのインタビューを通じて障害者スポーツや電動車椅子サッカーの普及に寄与する活動に取り組んでいます。そして週末は選手として、電動車椅子サッカーの練習や大会に参加する、という感じですね。
ここ数年のコロナ禍で、練習や大会が中止になったりすることも多く、色んな意味で苦しい期間でした。というのも私を含め、筋疾患を患っている選手が多いので、動く機会がなくなると筋力が目に見えて低下していくんですね。かと言って感染すると重症化しやすいですし。
だから私は近所の公園で、ボールを蹴ったりドリブルしたりと、自主トレを繰り返していました。ただ、地面がアスファルトだとタイヤがすり減ったり割れてしまうことも多くて。早く体育館でやりたいなぁ、とずっと思っていましたが、ようやく最近、コロナ禍が落ち着きを見せるとともに、以前のように練習や大会が再開されるようになって、すごく嬉しいですね。
ちなみに、先ほどお話ししたオーストラリアW杯ですが、残念ながら代表メンバーの選考からは漏れてしまいました。この大会に出るために全身全霊をかけて努力してきたので、正直ショックは大きいです。でも、今後も引き続き練習を続け、次回のW杯では必ず代表入りを果たしたいと思っています。
同時に、夢はこの競技をもっとメジャーにすること。まだパラリンピックの正式種目に入っていないこともあって、まだまだ認知度が低い状況。いつか普通のサッカーの試合のように、客席をお客さんでいっぱいにできる日が来るよう、今後も電動車椅子サッカーの面白さをどんどん発信していきたいと思っています。
PROFILE
永岡真理さん
1991年生まれ。難病「SMA(脊髄性筋萎縮症)」を患い、4歳から車椅子生活を送る。小学2年(8歳)の時に電動車椅子サッカーと出合い、強豪クラブ「横浜クラッカーズ」に入団。2013年、第一回アジア・太平洋・オセアニア選手権大会(APOカップ)に日本人女性初の日本代表選手として出場し初優勝。電動車椅子サッカーのW杯出場を目指す選手たちを追ったドキュメンタリー映画『蹴る』(2019年公開)に出演。選手として活躍する傍ら、障害者スポーツの普及のためのPR活動も積極的に行っている。