管理栄養士・本多京子先生が教える、シニア世代が知っておくべき正しい「食知識」クイズ
医学博士で管理栄養士である本多京子さんが2023年12月に上梓したシニア世代の心によりそう食生活指南書『一食一品つくるだけで栄養がしっかりとれる シニアごはん』(講談社)が話題です。
献立の作り方、食材の買い物の仕方、保存方法、調理方法やレシピに至るまで、シニア世代が健康を維持するために必要なTIPSが満載の一冊です。この本の巻末に、シニア世代の脳と体に効く食のクイズが10問、掲載されています。今回は、その中から一部を抜粋してご紹介しますので、ぜひ挑戦してみてください。
Q1
次の3つの青菜の和え物のうち、骨の健康に一番よいのはどれでしょう?
①みぞれ和え
②納豆和え
③ピーナツバター和え
A
骨は約三年のサイクルで新しくつくりかわるので、骨に必要な栄養素を摂ると、強い骨づくりに役立ちます。骨によい栄養素は、日光にあたると生成されるビタミンD、骨の基盤をつくるカルシウム・たんぱく質・ビタミンC、骨の目減りを防ぐビタミンKなどです。これらがバランスよく含まれているものといえば、答えは②で、納豆和えです。
Q2
シニア世代に一番おすすめの主食は次のうちどれでしょう?
①ご飯
②パン
③麺類
A
日本人は高血圧民族と言われています。塩分という視点でみると、答えは①のご飯です。三つのうち、ご飯だけが無塩です。パンは塩や脂が入っていますし、うどんにも塩が入っています。パスタはゆでるときに塩を入れ、かけるソースにも塩と油を使います。ご飯の適量は一食一杯。主食はご飯一杯、というのが一番健康的です。
Q3
次の3つのうち、100gあたりのカロリーが一番低いのはどれでしょう?
①オリーブ油
②亜麻仁油
③バター
A
オリーブ油も亜麻仁油も植物油です。植物油大さじ1(12g)のカロリーは108kcalで、同じです。油の種類によりあまり変わることはありません。一方、バター大さじ1のカロリーは84kcalで、植物油より低いため、答えは③のバターです。料理の仕上げにバターを少量加えると、風味もこくもアップして、おいしくなります。
Q4
シニア世代が一日に摂るべき水分量の目安は次のうちどれでしょう?
①コップ2〜3杯
②コップ4〜5杯
③コップ6〜7杯
A
シニア世代になると、のどが渇きにくくなるので時間を決めて水分補給しましょう。答えは③で、一日にコップ6杯、できれば7杯摂りましょう。起き抜けに1杯、朝・昼・晩の食事にお茶か水か汁物を。午前・午後にお茶の時間を設け、風呂上がりに1杯。合計7回、できれば糖分、カフェイン、カロリーのないものを摂るのがおすすめです。
Q5
毎日大さじ1摂るだけで、血圧、コレステロール値、血糖値の改善に役立つのは次のうちどれでしょう?
①酢
②はちみつ
③オリーブ油
A
血圧、コレステロール値、血糖値の乱れは、生活習慣病の三大要因と言われています。答えは①の酢です。毎日大さじ1の酢を摂ると、酢酸成分の働きで、高めの血圧・コレステロール値・血糖値が下がる、という研究結果があります。
Q6
たんぱく質の摂取を一番心がけなければならないのは、次のうちどれでしょう?
①朝食
②昼食
③夕食
A
答えは①の朝食です。寝ている間にも骨と筋肉は分解と合成をくり返しています。朝こそ、たんぱく質を摂ることが大事です。ご飯なら卵焼き・焼き魚・納豆、パンなら目玉焼き・ハム・チーズなど、たんぱく質をきちんと摂るようにしてください。最新の時間栄養学では何をどれくらいだけでなく、いつ食べるかも大事だとされています。
(文・田代 智久)