疾患ナビ 2025.02.14
「五十肩」、本当の病名は「凍結肩」!?
「五十肩」、本当の病名は「凍結肩」
「凍結肩」に合併する神経痛
近年、この凍結肩にも神経痛(医学的には神経障害性疼痛といいます)を合併することが我々の調査でわかってきました。その頻度は約1割であり、意外と多く合併し、無視できない頻度です。凍結肩で治療を行なっても、痛みが長く続く場合や痛みの寛解、増悪を繰り返す場合はこの神経痛の合併を念頭において治療にあたる必要があります。治療は注射や薬の投与があります。
「凍結肩」の原因は関節の中?
以前から指摘されている凍結肩の病態は、いくつかあります。関節内への注射が著効すること、肩甲骨の動きは障害されず、関節だけが硬くなることを考えると、恐らく主病変は関節の中(特に関節包とよばれる関節の袋)にあるものと推測されます。しかし、これまでに十分に解明されたとは言えなません。関節内のどの部位から炎症が生じるのか?そのきっかけとなるのは何か?なぜ自然によくなるのか?など、凍結肩に関する不思議は沢山あります。
●執筆
山本宣幸(やまもと・のぶゆき)・東北大学整形外科准教授
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