学校での運動器検診

[4] 留意事項

各項目ごとの事後措置への判断の目安

1. 背骨が曲がっている

『児童生徒等の健康診断マニュアル』の留意事項のP26と上記の『改訂版 学校の運動器疾患・障害に対する取り組みの手引き』のP52、53を参考にしてください。

脊柱側わん症 四つのチェックポイント

  1. ① 肩の高さに左右差がある
  2. ② ウエストラインに左右差がある
  3. ③ 肩甲骨の位置に左右差がある
  4. ④ 前屈した背面の高さに左右差があり、肋骨隆起もしくは腰部隆起がみられる

上記の4項目の中では、スクリーニングとして④の前屈テストが最も重要です。

  • ・前屈テストで5度以上*の肋骨隆起、あるいは腰部隆起がある。
    (明らかな背部、腰部の ”非対称な” 後方への隆起) 
    → 整形外科への受診要
  • ・前屈テストで5度未満の背部隆起がある。経過観察・簡易指導
    → 経過観察・簡易指導
  • ・ウエストライン、肩甲骨の高さや肩の高さに明白な左右差がある
    → 整形外科への受診要

角度の測定方法は、運動器保健調査票のIII-1-④の右図のようです。
明確な非対称隆起(5度以上*)を整形外科への受診要の目安としています。

2. 腰を曲げたり反らしたりすると痛みがある

この運動器検診の手引き[5]<A.部位別の疾患・障害の説明と対応について>『改訂版 学校の運動器疾患・障害に対する取り組みの手引き』の肩(P34、35)、肘(P36、37)、膝(P44、45)、すね(P46、47),足首(P48、49)、足(P50、51)を参考にしてください。

  • ・運動時に軽い痛みあり
    → 経過観察・簡易指導
  • ・運動時に強い痛みと支障あり
    → 整形外科への受診要
  • ・体育に支障あり
    → 整形外科への受診要
  • ・校内生活および通学に支障あり
    → 整形外科への受診要

3. 腕(うで)、脚(あし)を動かすと痛みがある

この運動器検診の手引き[5]<A.部位別の疾患・障害の説明と対応について>『改訂版 学校の運動器疾患・障害に対する取り組みの手引き』の肩(P34、35)、肘(P36、37)、膝(P44、45)、すね(P46、47),足首(P48、49)、足(P50、51)を参考にしてください。

  • ・運動時に軽い痛みあり
    → 経過観察・簡易指導
  • ・運動時に強い痛みと支障あり
    → 整形外科への受診要
  • ・体育に支障あり
    → 整形外科への受診要
  • ・校内生活および通学に支障あり
    → 整形外科への受診要

4. 腕、脚の動きに悪いところがある

この運動器検診の手引き[5]<A.部位別の疾患・障害の説明と対応について>『改訂版 学校の運動器疾患・障害に対する取り組みの手引き』の肩(P34、35)、肘(P36、37)、膝(P44、45)、すね(P46、47),足首(P48、49)、足(P50、51)を参考にしてください。

主に、左右差を比較する

  • ・わずかの可動域制限あり
    → 経過観察・簡易指導
  • ・はっきりした可動域制限あり
    → 整形外科への受診要
    ※ 例:肘の伸展:左右差で5°以上、完全に伸びないなど

5. 片脚立ちが5秒以上できない(左右ともに検査する)片方があてはまれば

  • ・5秒できるが、ふらつきが大きい → 経過観察・簡易指導
  • ・5秒以上できなくて、歩行時痛なし → 経過観察・簡易指導
  • ・5秒以上できなくて、歩行時痛あり → 整形外科への受診要

ペルテス病、大腿骨頭すべり症、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)のスクリーニングとなります。この運動器検診の手引き[5]<A.部位別の疾患・障害の説明と対応について>や『児童生徒等の健康診断マニュアル』のP27を参考にしてください。
※ 疑問に思う場合も専門医(整形外科)の受診を勧めてください。

6. しゃがみこみができない(足のうらを全部床につけて完全に)

  • ・しゃがめなくて、運動時痛なし
    → 経過観察
  • ・しゃがめなくて、運動時痛あり
    → 整形外科への受診要

オスグッド病や足関節拘縮のスクリーニングになります。この運動器検診の手引き[5]<A.部位別の疾患・障害の説明と対応について>を参考にしてください。 ※ 疑問に思う場合も専門医(整形外科)の受診を勧めてください。